高校生から約20年。ヤングケアラーだった私が介護を終えて思うこと【後編】

生活

前編はこちらから読めます。

高校生から約20年。ヤングケアラーだった私が経験した現実【前編】

約20年続いた介護の終わり

最後は、大腸の病気と誤嚥性肺炎がほぼ同じ時期に見つかりました。

そのまま入院し、母は病院で最期を迎えました。

約20年続いた介護が終わった瞬間です。

もちろん悲しい気持ちはありました。

でも涙が止まらないということはありませんでした。

寝たきりになってからは、会話どころかコミュニケーションを取ることもほとんどできませんでした。

家へ帰っても、「もういないんだな。」

そう思うくらいだったのを覚えています。

その後、祖母も亡くなりました。

認知症はありましたが、母より長く会話ができていたこともあり、実際は祖母との別れの方が悲しかったかもしれません。

それでも家族の死を経験して思ったのは、「人ってこんなものなんだ。」ということでした。

ドラマのように泣き続けるわけでもなく、現実を受け入れていくしかありませんでした。

父と距離を置くことを選んだ

母が亡くなったあと、私は父と二人で暮らしていました。

当初は、父のことも最後まで面倒を見るつもりでした。

でも、その考えは変わりました。

浪費や借金を繰り返し、家事もしない生活。

このまま父を看取り、そのあとには自分の老後が待っている。

そう考えた時、このままでは自分の人生が終わってしまうと思いました。

だから私は家を出ました。

父と距離を置くことを選びました。

もっと早く自分の人生を選んでいたら

昔の私は、「介護は仕方ない」と思っていました。

家を出ようとした時も、母に泣いて引き止められ、介護を続けることを選びました。

でも今は違います。

もっと早く家を出ていたら。

もっと早く自分の人生を選んでいたら。

今とは違う生活だったかもしれない。

正社員として働き続けられたかもしれない。

老後のお金や年金に、ここまで不安を抱えなくてもよかったかもしれない。

そんなことを考える時があります。

当時は、自分の老後なんて考える余裕はありませんでした。

毎日を乗り切るだけで精一杯でした。

でも40代になった今、地方では正社員になる難しさも感じています。

介護は終わっても、その影響は終わりません。

失った時間は、そのまま将来への不安につながることもあります。

今ヤングケアラーとして頑張っている人へ

だから私は、今ヤングケアラーとして頑張っている人に伝えたいことがあります。

介護を続けるという決断をする人を否定するつもりはありません。

最後まで家族を支えようと決めた人は、本当にすごいと思います。

でも、自分の将来も考えてください。

介護をしないという選択もあります。

施設に入ることも、周りを頼ることも、自分の人生を守るための選択です。

私は約20年介護を続けました。

だからこそ思います。

若いうちから始まった介護は、終わりが見えません。

気付けば、自分の人生を後回しにし続けることになります。

自由になった頃には、自分も年齢を重ねています。

もっと早く、自分の人生を生きてもよかった。

これは今の私だから言える本音です。

介護は運命ではない

以前、職場の人からこんなことを言われたことがあります。

「介護はあなたの運命だと思ってやるしかない。」

でも私は、その言葉だけは受け入れられませんでした。

介護は運命ではありません。

家族だから必ず背負わなければならないものでもありません。

続けることも、離れることも、自分で選んでいい。

私はそう思っています。

この記事を読んでいる人の中には、今まさに同じような状況で悩んでいる人もいるかもしれません。

すぐに答えは出せないと思います。

それでも、一度だけ立ち止まって考えてみてください。

その選択は、本当にあなた自身が望んで選んだものですか。

あなたの人生は、あなただけのものです。

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